日本語訳
早に白帝城を発す(つとにはくていじょうをはっす)
朝、彩雲のなかの白帝城に別れを告げ、
千里の江陵まで、一日で帰り着く。
両岸の猿の声は、いつまでも鳴きやまないのに、
軽やかな舟はもう、幾重にも重なる山々を過ぎていた。
「猿声」は「猿の声」と具体的に訳し、獣の鳴き声といった一般化を避けて、長江の峡谷を行く場面の手がかりを残した。
詩は遠大な距離を「一日で帰る」という一句に圧縮し、そのうえで聴覚と視覚を交差させる。猿の声は絶え間なく続いているのに、舟はすでに幾重もの山峡を抜けている。「軽舟」は速さを言うだけでなく、妨げが取り払われたあとの身軽さを詩全体に与えている。
朝、彩雲のなかの白帝城に別れを告げ、
千里の江陵まで、一日で帰り着く。
両岸の猿の声は、いつまでも鳴きやまないのに、
軽やかな舟はもう、幾重にも重なる山々を過ぎていた。
「猿声」は「猿の声」と具体的に訳し、獣の鳴き声といった一般化を避けて、長江の峡谷を行く場面の手がかりを残した。
「啼不住」は音の持続を、「已過」は突然の到達を示し、同時に進む二つの線の速度差から推進感が生まれる。白帝と江陵は航程の両端であり、彩雲と幾重の山はこの道のりを流れ続ける景色に変えている。本文は通行の「両岸猿声啼不住」を採り、候補資料と比較資料に見える「啼不尽」は異文として保持し、本文には入れていない。
詩は遠大な距離を「一日で帰る」という一句に圧縮し、そのうえで聴覚と視覚を交差させる。猿の声は絶え間なく続いているのに、舟はすでに幾重もの山峡を抜けている。「軽舟」は速さを言うだけでなく、妨げが取り払われたあとの身軽さを詩全体に与えている。
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